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専制君主の暴徒が止まらない、朝日新聞「天声人語」より

2022年3月27日

専制君主の暴徒が止まらない、は朝日新聞「天声人語」からみなさんに読んでいただきたくて、参照します。

2月28日は利休忌である。
茶人、千利休が70歳の生涯を閉じた旧暦のその日に春の穏やかさはなく、大雨と雷の荒天だったと伝えられている。
二人三脚で歩んできた豊臣秀吉から蟄居(ちっきょ)させられた末、切腹を命ぜられた。

「侘び茶」の印象のため忘れそうになるが、利休が生きたのは戦乱の世だ。
ときの覇者である織田信長、そして豊臣秀吉に仕え、茶事を司った。
なのになぜ死を命じられたのか。

表向きの理由は、寺院の山門に利休が自分の木造を置いたのが無礼だというものだ。
しかしそれだけではないはずだと、後世いくつもの説が取りざたされた。
娘を秀吉の側室に出すのを拒んだ。
秀吉のもくろむ朝鮮出兵に反対した……。
おそらく永遠のなぞだろう。

重要なのは、その死が天下統一の実現した時期に起きたことだと歴史学者の池上裕子(ひろこ)さんが指摘している(『織豊政権と江戸幕府』)。
「内々の儀は宗易そうえき(利休)が存じている」との言葉が残るように、秀吉に密かに話を取り次ぐ役割も利休は果たしていた。
そんな政治のやり方を脱し、石田三成ら若手官僚が前面に出たのが統一後の政権だった。

強固な統一体制のもと秀吉は明(みん)の征服をめざし、その前段階として朝鮮に出兵した。
当時の国際関係の現実を無視した行動だったが止める者はいなかった。
自軍に、そして、何より朝鮮の人々におびただしい死をもたらした。

専制君主の暴徒が止まらなくなる。
戦乱期の日本に限らないことが最近のニュースから痛いほど伝わってくる。

国連事務総長「人道支援強化」
ウクライナ大統領に国連のグテレス事務総長は20日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議した。
国連によると、グテレス氏はウクライナ国民への人道支援を強化する考えを伝えた。
国連は3月1日に緊急人道支援に必要な資金拠出を呼びかける。

ゼレンスキー氏は協議の中で、ロシアの行動は「ウクライナ人へのジェノサイド(民族大量虐殺)」だと非難し、「国連安全保障理事会における侵略国の投票権の剥奪」を訴えた。

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