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「民主主義」恐れるロシア、英王立国際問題研究所特別研究員のオルシア・ルツビッチ氏のお話しから

2022年3月27日

「民主主義」恐れるロシア。
これは英王立国際問題研究所特別研究員のオルシアルツ・ビッチ氏のお話しから参照しています。

侵行があるかどうかは、ロシアと米国との交渉次第で、事態は刻々と変化するだろう。
ただロシアが実戦を想定して兵力を配備したのは間違いなく、いつか何らかの軍事行動を起こすという見通しに、異論はほとんどない。

国土の相当部分を占領したり、傀儡(かいらい)政権を樹立したり、といった可能性は低く、攻撃は限定的だと予想される。
ただ、サイバー攻撃も絡めた「全方位戦争」を仕掛けるだろう。

北大西洋条約機構(NATO)の拡大が問題の発端だというロシアの主張は、国内向けの言説に過ぎない。
冷戦時代にソ連国内で反NATOのプロパガンダ(組織的宣伝)が盛んに流された結果、「NATOが拡大してくる」と言えば、今でも通用する。

ロシアが本当に恐れるのは「民主主義」。
民主主義が欧米からウクライナを通ってロシアに入るのではないか、と懸念している。
でも、そうだとは決して認めない。
『ウクライナが怖い』などとは、口が裂けても言えない。

プーチン大統領は19世紀の帝国主義的価値観に染まり、国境周辺の土地にも所有権があると信じている。
また巨大なマーケットであるウクライナを支配することで、地域大国以上の力を持とうとしている。
ロシアがウクライナなど周辺諸国を支配しようとするのは、ロシア指導層の不安の表れでもある。
攻めの姿勢を取り続けないと、ロシアは求心力を失い、将来解体に向かうかも知れないと恐れるからだ。

ロシアによるクリミア半島占領があった2014年、当時のオバマ米大統領は問題にあまりかかわろうとせず、ウクライナへの武器供与にも反対した。
だからバイデン大統領も同じだろうと、プーチン氏は高をくくっていた。
ロシアは好き勝手できると。
バイデン氏がこれほどタフに立ち回るとは、思いもしなかった。

バイデン氏は、欧米や豪州、日本を巻き込んだグローバル(全世界の)な連合を構築しようとした。
ロシアに対する欧米の結束は今回ずっと強く、プーチン氏の語り口に乗せられる国はどこにもない。
制裁に関しても、大枠で一致している。

ウクライナにとって、今は守りを固め、危機を制御すべき時だ。
もし失敗してウクライナが崩壊したら、影響は甚大だ。
欧州全体の均衡が崩れ、欧米型の自由主義秩序は深刻なダメージを受けるだろう。
(聞き手・国本憲人)

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